Web活用が一般化した現在、Webマーケティングは企業にとって不可欠なマーケティング手段の1つになっています。そんな中で必要とされているのがWebマーケティングの体系的な専門知識とスキルを身に着けたマーケターです。ここでは現場でWebマーケティングに取り組んでいるマーケターやWebマーケターを目指している人材が取得すると、実務能力アップとキャリアアップの両面で役に立つWebマーケティング資格を紹介します。
Webマーケティング関連資格取得のメリット
Webマーケティング関連資格取得のメリットとして次が挙げられます。
- 受験勉強など資格取得の過程でWebマーケティングの体系的な専門知識とスキルを身に着けられる
- Webマーケティング手法の進化に難なく対応できる
- Webマーケティングのキーパーソンとして現場で活躍できる
- Webマーケターとして有利な条件で転職できる可能性が高い
現場のOJTで経験的に身に着けた知識とスキルは、所属している組織が現在取り組んでいるWebマーケティングには役立ちますが、Webマーケティング手法の変化にはすぐ対応できません。また先端的な手法を使いこなすのも容易ではないでしょう。
しかし資格を持っていれば、手法の変化や先端的手法の導入に容易に対応できます。
このことは実務経験のない新卒採用者や転職者も同じです。資格を持っていることでWebマーケティングに関する自分の技能を証明でき、現場配属直後からキーパーソンの一人としての活躍が可能になるでしょう。
Webマーケティングの7資格
Webマーケティングの資格は次の2種類に大別されます、
- Webマーケティングの全般的な専門知識とスキルを証明する資格
- Webマーケティングデータの統計・解析処理の知識とスキルを証明する資格
この他、Web広告に関する特定事業者のプライベート資格として「Google広告認定資格」、「Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験」などがあります。
Webマーケティングの全般的な専門知識とスキルを証明する資格
(1) マーケティング・ビジネス実務検定
国際実務マーケティング協会が主催している検定です。
検定は「特定の業種・業界に囚われない普遍的なマーケティング技能の検定」を目的にしています。
検定は3等級に分かれています。
- A級……マーケティングの戦略立案、意思決定、管理、判断などができるレベル
- B級……マーケティング業務の運営ができるレベル
- C級……マーケティングの定型業務ができるレベル
検定は会場での筆記試験により行われます。
(2) IMA検定
クラウドマネージメント協会が主催しているWeb広告の検定です。
検定は講義と受検がセットになっており、「講義受講から受検までの全過程を自宅や職場内で受けられる実務主義検定の採用」と「現場で真に必要なマーケティングのスキルを講義のカリキュラムに採用」しているのが特徴です。
検定は2コースに分かれています。
Standardコース………リスティング広告とサイト分析のスキルを習得するコース(マーケティング概論、アクセス分析、サイト集客の講義と検定)
Professionalコース……Standardコースで習得したスキルをベースに、多様な広告媒体に対応できるスキルを習得するコース(高度な集客、成果牽引、KPI管理の講義と検定)
検定は自宅・職場でのeラーニング(講義受講とレポート提出)終了後のオンライン試験により行われます。
(3)Web検定
全日本能率連盟が主催している検定です。
検定は「Web業務に関する標準的な知識の習得により、立場による認識の違いや知識のズレによる非効率的なコミュニケーションを排し、生産的な商取引を促し、わが国の産業発展に貢献する」を目的にしています。
検定はすべてのビジネスパーソンが業務でWebを活用する際に必要な知識を有する「Webアソシエイト」とその上位の各専門知識を有する3資格から成っています。
1.Web検定 Webリテラシー(認定資格ːWeb検定 Webアソシエイト)……Webデザイナー・ディレクター・プロデューサー3職種に必要な知識を「Webリテラシー」と定義し、このリテラシーを具えているのかの有無を問う検定
2.Web検定 Webデザイン(認定資格ːWeb検定 Webデザイナー)……ビジュアルデザインのルールからHTML・CSSの基本設計、幅広くアクセシビリティに対応するための実装技術などを正しく理解しているのかの有無を問う検定
3.Web検定 Webディレクション(認定資格ːWeb検定 Webディレクター)……Webサイト構築の要件定義をするための現状分析、サイト全体の設計、工程管理、集客施策立案・実施などWebディレクターとしての幅広い専門知識を具えているのかの有無を問う検定
4.Web検定 Webプロデュース(認定資格ː Web検定 Webプロデューサー……Webサイトの現状把握、Web集客の戦略立案・計画、プロジェクトのハブ機能などWebプロデューサーとしての幅広い専門知識を具えているのかの有無を問う検定
検定は会場でのCBT方式(Computer Based Testing)により行われます。
(4)Webライティング能力検定
日本WEBライティング協会が主催している検定です。
検定は「Webサイトのコンテンツ制作におけるSEO対策に有利な文章作成の普及により、Webサイトの充実と質の向上」を目的にしています。
検定は次の3等級に分かれています。
- 1級 ……高度なWebライティングができるスキルを持つトップレベル
- 2級…… 一般的なWebライティング行う上で充分なスキルを持つレベル
- 3級…… 一般的なWebライティングを行う上で最低限のスキルを持つレベル
各級とも検定課目は6課目あり、1―5課は4択、6課目は記述式のミニ論文(200―300字)です。
検定は会場での筆記試験により行われます。
Webマーケティングデータの統計・解析処理の知識とスキルを証明する資格
(5)ウェブ解析士
ウェブ解析士協会が認定している資格です。
資格は「Webマーケティングの基盤となるWeb解析を体系的に学べる環境とWeb解析のスキル評価基準確立」を目的にしています。
資格は3等級に分かれています。
- ウェブ解析士マスター……ウェブ解析士の育成や企業研修の講師に必要な教育スキルを習得しているレベル
- 上級Web解析士……Webマーケティングの戦略立案・KPI設定、Webマーケティングのコンサルティングに必要なスキルを習得しているレベル
- ウェブ解析士……Web解析とWebマーケティングに必要なスキルを習得しているレベル
資格認定は会場での筆記試験の結果に基づきます。
(6)統計検定
統計質保証推進協会が主催している検定です。
検定は「データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力習得」を目的にしています。
検定は5等級に分かれています。
- 統計検定1級……様々な統計データを分析し、その結果を問題解決に活かせる統計スペシャリストのレベル
- 統計検定準1級…統計学の活用で問題解決ができるレベル
- 統計検定2級……大学基礎統計学の知識と問題解決力があるレベル
- 統計検定3級……統計データの分析において重要な概念を身に着け、身近な問題を解決できるレベル
- 統計検定4級……統計データの生数値、表、グラフを読み解く知識があり、それを統計に関する資料の中で活用できるレベル
検定は会場での筆記試験とCBT会場でのCBT方式の2方式により行われ、受検者はどちらかの方式を選べます。
(7)Webアナリスト検定
日本Web協会が主催している検定です。
検定は「Webサイトのアクセス解析データ、市場動向、トレンドなど様々なマーケティング情報を分析し、企業の業績を向上に導いてゆく役割を果たせる人材であるWebアナリストの育成」を目的にしています。
検定は1日5時間のオンライン講義と、講義終了後のオンラインテストにより行われます。
講義ではWebサイトのアクセスログ解析を軸に、ユーザーフローに沿った集客・回遊・コンバージョン・リピートの分析を体系的に学べるカリキュラムになっています。このためWebマーケター初心者はもとより、一般企業のWebサイト運営者やWebサイト制作会社のWebエンジニア・デザイナーもWebマーケティングの専門知識とスキルを身に着けられるのが特徴と言えます。
まとめ
次々と新しい技術やツールが開発され、進化し続けるWebの世界では、マーケティング手法も進化し続けています。この変化に柔軟に対応し、効果的なマーケティング活動を展開するためには、Webマーケティングに関する専門知識とスキルを身に着けている必要があります。その習得方法として、本稿で紹介した資格取得は実利性が高いと言えるでしょう。