WEBマーケティング戦略を練る際に必要なMECE

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WEBマーケティング戦略を練る際にMECEを取り入れるということはよく耳にします。
ただしMECEという言葉自体が英語なので、普段使い慣れない人にとっては何のことだかよく分かりません。
とりわけWEBマーケティングでは、こうした英語の略語がよく出てきます。
そこでもう少し分かりやすく申しますと、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの省略語になります。
これをさらに日本語に訳すと、Mutually(お互いに)Exclusive(重複せず)Collectively(全体に)Exhaustive(漏れがない)という意味合いになります。
つまりはWEBマーケティングに限らず、重複や抜け漏れ等があると当初の計画が台無しになってしまいます。
ここではそんなMECEの考え方を取り入れたWEBマーケティング戦略をご紹介します。

MECEを取り入れたWEBマーケティング戦略

冒頭でご紹介したように、WEBマーケティングに限らずMECEの考え方を取り入れることはとても大切なことです。
たまに刑事ドラマを見ていると、殺人事件が発生した際に容疑者の写真をホワイトボードに貼り付けながら、容疑者の絞り込み等を行う場面がよく出てきます。
そうした容疑者の絞り込みの際に、重複はありませんが漏れや抜けがあると、聞き込み調査や殺人が発生した際のスジ読み等をやり直す必要があります。
もちろんそうなると、当初の計画や苦労が台無しになり振り出しに逆戻りです。
ただし刑事ドラマでは、番組を面白くするためにそんなドンデン返しは日常茶飯事ですがね。
ということで、今回はMECEの考え方を取り入れたWEBマーケティング戦略についてご紹介します。

ネットショップにMECEを取り入れた場合

ネットショップの売上増を検討した際に、売上に影響する要因を挙げてみました。
仮に売上増に影響すると思われる要因には、商品・ターゲット・商品単価等が挙げられます。
しかしながらこうした思いつくままに要因を挙げてみても、それこそ重複はないものの抜けや漏れが必ず発生します。
例えば売上に直接影響するものだけでなく、予期せぬ天災などが影響をしてしまうことも想定されます。
それこそ今のご時世であれば、コロナの影響でマスクが品薄状態になっています。
そこでMECEの考え方を取り入れて再考察してみると、以下のようになります。
売上=成約数×購入単価
成約数=訪問者数×成約率
訪問者数=新規訪問者数+再訪問者数
このように売上増につながる構成要素を分解しながら、プラミット型に順序立てます。
そうすることで、重複や抜け漏れといった問題点や矛盾点が発生しないようにできます。

WEBマーケット戦略でターゲットを決める場合

WEBマーケット戦略を練る際には、誰に売るのかという点はとても重要です。
つまりはターゲットを決めるのですが、どのようにしてターゲットを分類するのか?という点についてご紹介します。
仮にターゲットを若年層と青年層・高齢層の3つの年齢層に分類したとします。
この場合、MECEの考え方を当てはめたら、重複する点や抜け漏れ等が発生するでしょうか?
それこそ抜け漏れ等は発生しないかもしれませんが、重複するケースがどうしても出てしまいます。
何故なら、若年層と青年層の境目が曖昧です。
あるいは40代や50代の方は、青年層と高齢層のどちらに分類されるのでしょうか?
このような分類の仕方だと、分類する人によってマチマチになってしまう可能性が往々にしてあります。
そこで重複や抜け漏れを無くすというMECEの考え方の観点からターゲットを分類してみたいと思います。
10代男性・10代女性・20代男性・20代女性・30代男性・30代女性と、このように年代と性別ごとにターゲットを分類すると重複や抜け漏れはまず発生することはありません。

20代から50代の女性をターゲットにした場合

今度は、20代から50代のいわゆる現役世代の女性をターゲットにして、美容商品を販売するWEBマーケット戦略について考えてみたいと思います。
この場合に会社員と主婦・学生の3つに分類してマーケット戦略を考えようとすると、MECEの観点から見るとどうなるでしょうか?
もちろんこうした分類の仕方をすると、会社員だけど主婦といった方もいらっしゃるので重複という問題が発生してしまいます。
あるいは会社員と主婦という2つに分類した場合には、どうでしょうか?
そうなると今度は、学生やフリーランスで働く方が抜け落ちてしまいます。
そこでMECEの観点からキチンと分類するには、以下のようにするのがよろしいかと思います。
多少ざっくりとした分類にはなりますが、年齢による分類・未婚者既婚者による分類・居住地域による分類などが挙げられます。
もちろん今回は、美容商品を販売する際のターゲットを分類する方法ですが、商品によってはその他にもいろんな分類方法が考えられます。
例えば、性別や雇用形態による分類、あるいはSNSの利用の有無等による分類などです。

MECEを具体的に展開するためのポイント

今回ご紹介しているMECEは、すでにご紹介した刑事ドラマの話もそうですが、WEBマーケティング戦略に限らずいろんなビジネスシーンで応用展開することができます。
その代わり、すでにご紹介したようにMECEの観点から重複や抜け漏れがあることが分かったら早い段階で修復する必要があります。
とりわけ思いつき等で分類事項を挙げると、重複や抜け漏れが発生しやすくなります。
そこで、そんな問題が発生しにくい方法があります。
それは、様々なビジネスシーンで利用されている既存のフレームワークを取り入れるという方法です。
ここではそんな既存のフレームワークを取り入れる方法についてご紹介します。

3C分析を取り入れる

既存のフレームワークの中に、3C分析と呼ばれるものがあります。
この3C分析を考案されたのは、経営コンサルタントの大前研一氏で多くの企業では事業の方向性を導き出すのによく利用されています。
従ってWEBマーケティングにおいても十分に利用することができます。
具体的には、Customer(市場・顧客)とCompetitor(競合他社)・Company(自社)の観点から分析を行うという手法です。
まずは市場・顧客の分析から行うのですが、市場を知らない状態だと自社の強みや弱みを評価することができません。
あるいは顧客の分析では、一般的な顧客の動向を分析することで具体的な購買行動や使用用途などを把握することができます。
そうすれば、顧客のニーズや価値観も把握することが可能となります。
その後、競合が市場に対してどのような対応をしているのか?あるいは競合の売上結果等を調べます。
そうした調査結果に基づいて、自社がどのような手を打てばよいのか?が自ずと分かるようになります。

バリューチェーンを取り入れる

バリューチェーンと呼ばれるフレームワークは、アメリカの学者マイケル・ポーター氏が提唱した考え方です。
このバリューチェーンを日本語にすると、価値連鎖という意味合いになります。
つまりは企業活動には様々な活動があるため、どのタイミングでどんな価値が生まれているのかを分析するツー
ルです。
しかもすでにご紹介した3C分析と同様に、様々なビジネスシーンで利用されています。
このバリューチェーンは、食料品等の原料を調達してから工場で製造しスーパー等に販売するまでの経路を具体的に図に表すことで様々な分析ができます。
例えばペットボトルのお茶であれば、スーパーなら100円以下で買えますがコンビニだと150円前後します。
この例の場合、100円以下でペットボトルのお茶が飲めること自体が不思議です。
もちろんそうなるとメーカー側が利益を得るためには、薄利多売をするしかありません。
しかもメーカー側が利益を出すためには、どこの部分でコストを減らすことができるのか?をバリューチェーンを使って分析する必要があります。
その上こうした商品が販売されるまでの経路を具体的に図で表しながら、コストのかかり方を分析すれば利益を得るための着眼点が見えるようになります。
一方、商品単価が高いケースもあります。
例えばスターバックスのコーヒーは、他のコーヒー店よりも商品単価が高めです。
しかしながら他のコーヒー店よりも人気が高いのは、バリューチェーンのどこかで価値を付与しているからに他なりません。
それは原料かもしれませんし、店内の居心地の良さや内装の工夫かもしれません。
こうした競合他社と比較しながら、自社の商品の価値を生み出したり価値を高める検討もできるようになります。

まとめ

WEBマーケティング戦略を練る際に必要なMECEと題してご紹介しました。
とりわけ複雑な問題が絡み合っている場合、あるいはクライアントさんにパワーポイント等でプレゼンをする際にも今回ご紹介したMECEは論理的な説明がしやすくなります。
あるいは問題箇所も見つけやすくなります。
ぜひともご参考になさってみて下さい。