Web接客ツールは文字通り実店舗に来店したお客さんに、店員が接客するのと同様の接客をWeb上で行うツールになります。とりわけ近年では、実店舗よりも通販のほうが品揃えが豊富です。そうしたことから、実店舗では食料品や日用雑貨、それ以外の商品は通販というユーザーが多くなっています。そのため多くの企業が、Web接客ツールの導入を検討しています。ここではそんなWeb接客ツールの具体的な仕組みや導入するメリット・選び方等についてご紹介いたします。
Web接客ツールとは?
冒頭でも簡単にご紹介したように、Web接客ツールはWebサイトを訪れたお客さんに自動的に接客を行うツールになります。実店舗においても、来店したお客さんがどの商品にしようか?と迷っていたら、店員が接客するようになっています。
ただし近頃では、むやみやたらに店員さんが接客しようとすると嫌がるお客さんがいるのも確かです。しかしながらお客さんが困っているのに、そのまま放置していると他の店に行ってしまうかもしれません。それと同様にWebサイトを訪れたユーザーに対しても、離脱率を抑えたり購買率を上げるための目的でWeb接客ツールというのが導入されています。
ここではそんなWeb接客ツールの種類や具体的な仕組みについてご紹介いたします。
ポップアップ型
Web接客ツールとはいっても、Webマーケティング戦略が行き届いている今日では数十種類というツールが各社から出ています。しかしながら大まかに分類すると、チャットボット型とポップアップ型・ハイブリット型の3つに分類することができます。
まずはポップアップ型についてですが、Webサイトを訪れたユーザーに対してあらかじめ設定したタイミングでポップアップウィンドウを表示させるツールをいいます。例えばどういうポップアップウィンドウかと申しますと、「ただ今期間限定でキャンペーンを実施しています」というポップアップや「〇%オフクーポン配布中」といったポップアップウィンドウが表示されます。
それでその段階で、「まあいいや」とそのWebサイトを離脱するユーザーと「どんなのかな?」と興味を抱いてさらに詳しく調べようとするユーザーに分かれます。もちろん興味を示したユーザーには、「詳しくはコチラ」といった個所をクリックすることで、さらに詳しいキャンペーンの情報を調べることができます。
そうした様々なポップアップウィンドウを用意することで、あたかも店員さんが接客しているような応対をすることができます。そうしたポップアップウィンドウを通して、Webサイトを訪れたユーザーの離脱率を抑えたり購買までユーザーを導く目的があります。
ただしWebサイト内にあるコンテンツを読もうとしているユーザーに対して、むやみにポップアップが表示されるとウザイということで心理的なストレスを与えてしまう恐れもあります。そういう意味では、Webサイトを訪れたユーザーにうまくマッチしたポップアップを提供できるかどうかがカギとなります。
チャット型
チャット型のWeb接客ツールは、大手企業のWebサイトではほとんどこのタイプを導入しています。それこそチャット型なので、パソコンの向こう側ではオペレーターの女性が受け答えをしているかのような仕組みになっています。
そのためユーザーが疑問に思っていることやWebサイトを訪れてどうしたいのか?迷っていると、すぐにチャット型のWeb接客ツールが画面に表示されるようになっています。その後、疑問に思っていることや聞きたい事柄を簡単に入力するとある程度うまく受け答えをしてくれます。
もちろんWebサイトを訪れたユーザーの中には、詳しいことを伺いたい人もいます。そうした方はWeb接客ツールでは受け答えできないので、必要に応じてオペレーターにつながるようになっています。またチャットボット自体にもユーザーからの質問もある程度予測ができるので、あらかじめ決められたシナリオ通りに応対するシナリオ型と人工知能が搭載されたより高度な応対が可能なAI型とがあります。
おまけにAI型の場合には、人工知能が搭載されているため場数を踏むごとにより高度な応対ができるように進化することができます。その代わりこうしたAI型のWeb接客ツールは、導入費用もそれなりに高額になるのでどうしても大手の企業しか導入できないというのが現状です。
従って今のところ中小企業の多くが、Web接客ツールで応対できない場合にはオペレーターが応対するといった仕組みにしています。
ハイブリット型
ハイブリット型のWeb接客ツールというのは、すでにご紹介したポップアップ型とチャット型の機能の両方を合わせ持った仕組みになっています。ですからユーザーによって使い分けたいという時には、こうしたハイブリット型の接客ツールは大変効果があります。
その代わり、ポップアップ型とチャット型の両方の機能を備えているため、単体の接客ツールに比べると導入費用がより高額になります。従って今のところ多くの企業が、それぞれ単体の接客ツールを導入しながら応対できない際にはオペレーターが応対するというのが一般的です。
Web接客ツールのメリット・効果的な選び方
冒頭のところで多くの企業がWeb接客ツールの導入を検討していると申しましたが、すでに大手企業はWeb接客ツールを導入しています。そこでWeb接客ツールのメリットや効果的な選び方についてご紹介いたします。
Web接客ツールの導入メリット
Web接客ツールの最大のメリットは、Webサイトを訪れたユーザーに対してオペレーターが接客しなくても接客ツールが自動的に応対してくれる点にあります。そうすることで、オペレーターの人件費を削減することができます。やはり多くの企業において、最大の課題は労務費の削減です。もちろん労務費を削減した結果、お客さんの接客が悪くなり売上が落ちれば本末転倒です。
そうしたことからWeb接客ツールのメリットは、労務費の削減と同時に接客サポート業務の効率化や自動化にあるといえます。おまけに接客ツールを導入した結果、ユーザーのニーズに合わせたアプローチが可能になるので購買率が向上するという点も大きなメリットであるといえます。
またキャンペーンの案内や割引クーポンのポップアップなどは、オペレーターが応対しているワケではないのでユーザーに対しても押し売り的な印象を与えません。そのため自然とキャンペーンや割引クーポンを利用するユーザーも多くなります。その結果、購買率のアップが期待できます。
接客ツールの選び方
接客ツールには、ポップアップ型やチャット型・ハイブリット型などがあります。その上接客ツールを販売しているメーカも多いので、どれにしようか?と迷う方も多いかと思います。従ってどの接客ツールを選ぶのか?という点については、自社が抱えているマーケティングに関する課題や課題解決のためにどのような接客ツールが最も望ましいのか?といった点を十分に検討・考慮する必要があります。
あるいは自社のWebサイトに訪問するユーザーがどのような課題やニーズを抱いているのか?といった点を調査することも大切です。
あとは、接客ツールを自社で開発するのか?あるいはメーカが販売しているツールを導入するのか?といった点など、導入コストや運用コストの検討も必要です。
まとめ
今日大手企業においては、すでに導入済みのWeb接客ツールをご紹介しました。中小企業もようやくこうした接客ツールの導入を検討している段階に入りましたが、何分にも導入コストや運用コストがかかります。そうしたことからも接客ツールを導入することで、どのようなメリットが得られるのか?といった点を十分考慮した上で検討するのが望ましいといえます。