Googleトレンドの使い方、マーケターは必見!

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検索エンジンで検索される「キーワード」は、市場のニーズやトレンドと連動しています。それを知ることは新商品の企画・販促、既存商品のラインナップ拡充などにおいて極めて重要です。「検索キーワード需要」を把握することでWeb広告が成功する可能性も高まるでしょう。そこでマーケターがぜひ活用したい市場調査ツールの1つが「Googleトレンド」です。

Googleトレンドとは

Googleトレンドとは、Googleで検索されるキーワードの検索回数と推移をグラフ化した市場調査ツールで、Googleが2006年から提供しています。可視性が高いので、ユーザは自分が知りたい情報を一目で得られるのが最大の特徴と言えます。しかもユーザ登録不要、利用料無料のツールです。

検索キーワードの検索回数が増加しているのか減少しているのかを期間指定で調べられるので、過去から現在までの推移を読み解くことで将来のトレンド予測も可能です。

Googleトレンドの機能的な特徴として次が挙げられます。

  • スコア化したキーワード検索回数の推移グラフと、特定の国・地域でのキーワード注目度を最大5単語まで同時比較が可能
  • 特定のキーワードに関連した人気・注目単語、話題などの調査が可能
  • 特定のキーワードや話題に関するトレンド情報をメールで受け取れる

Googleトレンドの一般的な活用法

販促や新商品企画のネタ探し、コンテンツのネタ探し、SEO対策など一般的な活用をする場合は、次の3つのメニューを使います。

1.「調べる」

このメニューでは、一度に5単語の検索キーワードの検索回数を比較することができ、国・地域別、期間別(2004年から現在までの期間指定による)、カテゴリ別などの比較も可能です。また検索キーワードの人気度の調査も可能です。

これはキーワードの検索回数実数ではなく、最高値を100とした検索総数に対する相対値がスコアとして表示されます。例えばスコア50の場合、そのキーワードの検索回数は最も検索されたときの半分と言うことになり、スコア0の場合は検索回数1%未満と言うことになります。

2.「急上昇キーワード」

このメニューでは、デイリーの検索トレンドとリアルタイムの検索トレンドを国・地域指定で調べることができます。

デイリーの検索トレンドの場合は「新型コロナ」、「リモートワーク」など検索回数が急上昇したキーワードとその関連記事が日別で表示され、リアルタイムの検索トレンドの場合は「立てこもり」、国会議員の「山尾志桜里」、気象の「線状降水帯」など過去24時間以内に検索回数が急上昇したキーワードとその関連記事が表示されます。

3.「Year in Serach 検索で振り返る」

このメニューでは、指定した年ごとに検索回数が急上昇したキーワード一覧を、前年比でカテゴリ別のランキングで調査できます。国・地域別の調査も可能です。

例えば「2020年の急上昇キーワード=日本」では「新型コロナウイルス感染症」、「大統領選挙」、「緊急事態宣言」などが表示されます。

これらのメニューにより検索頻度の高いキーワードと関連単語・話題、国・地域別の話題などを調査すれば、その結果を新商品企画、新コンテンツ制作、SEO対策などの基礎資料として活用できるでしょう。

Googleトレンドのマーケティングでの活用法

社会情勢の変化でトレンドが急激に変化する市場環境において、ビジネスチャンスを逃さないためにはトレンドの変化を察知し、それを自社事業に逸早く取り入れるマーケティング活動が重要です。そのアンテナの1つが「検索キーワード需要」と言えるでしょう。

例えば新型コロナウイルスの影響が最初に現れた2020年前半は、国民の生活環境が制約を受け、国や自治体の「不要不急の外出自粛要請」があり、外食産業、観光関連産業、中長距離輸送の公共交通機関などの利用が激減しました。この影響は検索キーワード需要にも表れています。

それをGoogleトレンドで見ると、国が新型コロナウイルスの緊急事態宣言第1号を発出した2020年4月7日の直後に急上昇したキーワードが「リモートワーク」、「光回線」、「電子署名」などでした。これらのキーワード需要は現実の社会生活や事業活動とピッタリ符号しています。この関係性を見ると、検索回数の多いキーワードは現実社会の反映と言っても過言ではない時代になっています。

Googleトレンドのマーケティング活用として、第1に挙げられるのがキーワード傾向調査でしょう。Googleトレンドのキーワード需要の傾向は、そのまま市場調査に応用できます。

この傾向は次の3タイプに大別できます。

1.季節変動型

季節変動型は、キーワード人気度の動向の折れ線グラフが季節により変動するタイプです。

例えば「確定申告」のキーワードは1月から3月にかけてはスコアが毎年50を超えますが、他の月は検索回数が1%未満のスコア0です。

季節変動型は「明確な季節変動型」と「緩やかな季節変動型」に小分類されます。

前者は先述の「確定申告」を始め「入学・入社式」、「花見」、「花火大会」、「初詣」などの季節イベントに関わる変動です。この変動に対してはほぼ外れのない販促活動が可能です。

後者は例えば「ワイン」のような、ボジョレーヌーヴォーが話題になる秋にキーワード人気度が上昇を始め、年末・年始にピークを迎え、春から夏にかけてはスコアが50前後で推移するする変動です。この変動もほぼ外れのない販促活動が可能です。

2.ブーム型

ブーム型は、社会情勢の変化や社会的現象の発生により、キーワード人気度の動向の折れ線グラフが突発的にピークを描くタイプです。

このタイプは一時的な現実需要の高まりでもあるので、これが2年先、3年先も継続する保証はありません。ビジネス的にはGoogleトレンドの折れ線グラフが上昇を始めた時点で、即座に市場参入する必要があります。この機を逃すとレッドオーシャン市場へ進出するのと同じ結果に陥ってしまう可能性があります。

このタイプも「ブーム短命型」と「ブーム長寿型」に小分類されます。

前者は例えば「在宅勤務」のような、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が原因となって発生したブームです。Googleトレンドの折れ線グラフも、それ以前はずっとスコア0で推移していたのが、2020年4月始め急上昇し、中旬にスコア100に達し、下旬になると下降しており、ブームの短命を裏付けている形です。

このグラフからは、在宅勤務が必要なビジネスパーソンが5月初旬には在宅勤務体制を整えたため、在宅勤務に伴うICT需要が一過性のものであったことが推測できます。このタイプの販促は時間との勝負と言えるでしょう。

後者は例えば「サブスクリプション」のように、キーワード人気度が2018年頃から徐々に上昇し2019年秋頃から2020年1月頃にかけてピークを描き、その後は緩やかな下降曲線を描いているタイプです。また下降したとは言え、2018年より高いスコアで推移しているのが特徴です。市場分析的には成熟期に入った課金システムと言えるでしょう。

このタイプは現実市場で根強い需要があるので、後発でも適切な販促活動をすれば利益を得られる可能性はあるでしょう。しかし市場自体はすでにレッドオーシャン化しているので、効果的な差別化策が必要になります。

3.需要安定型

需要安定型は、市場の動きが比較的安定しているタイプです。季節変動やブームの影響を受けないので、Googleトレンドの折れ線グラフのランクも長期間にわたってほとんどぶれないのが特徴です。

例えば「眼鏡」の場合、コンタクトレンズ、レーシック手術などの視力矯正法が普及しているにも関わらず、グラフのランクは50以上で横這いしています。現実的にも眼鏡市場の衰退は見られません。このタイプの商品は、同業他社との「競合に負けないため」の長期的なマーケティング戦略に基づく販促活動が重要と言われています。

この他、Googleトレンドのマーケティング活用には地域の需要調査、競合調査などが挙げられます。いずれの調査も調査経費を掛けずに済むのが、Googleトレンドの魅力と言えます。

まとめ

マーケターにとってGoogleトレンドの情報は現実の市場動向やビジネス動向を映す鏡のようなツールと言えます。この情報を分析し、仮説を立て、検証することで販促予算の見積、新商品・新規事業開発の基礎資料にするなど、様々な活用ができるでしょう。今の時代、マーケターにとってGoogleトレンドはマーケティングの必須ツールの1つと言えるかも知れません。