WEB制作の見積もりを依頼すると、会社によって見積もり金額がまったく違うというケースは珍しいことではありません。しかし、同じ内容で作成するはずなのになぜ金額が大きく変わるのか、疑問に思うWEB担当者も多いでしょう。ここでは、WEB制作の見積もり金額が会社毎に違う理由や見積もりを依頼するときのチェックポイントなどをご説明します。
WEB制作の見積もり金額が会社毎に違う理由
WEB制作にかかる費用は決して安いものではないため、事前に見積もりを取って、同じ条件でできるだけ安い会社に依頼したいと思うのは当然のことです。
ですが、見積もり金額に差がありすぎると、安いというだけで依頼するのも不安になってしまうでしょう。
見積もり金額に違いがあるのは、WEBサイトを作る工程や作成方式などが制作会社毎に違うからです。
つまり、見積もり金額が高いか低いかだけでWEBサイトが求めるクオリティに仕上がる保証はないので、見積もり金額がどのように算出されるかしっかりチェックしておきましょう。
WEB制作の業務範囲
WEB制作と一口に言っても、業務の範囲は制作会社によって違います。
例えば、ホームページを作成する場合でも、ヒアリングを行って、希望に沿った既存のテンプレートを使って制作するだけの業務範囲の会社もあれば、ヒアリング後にホームページの競合分析、上位にヒットさせるためのキーワード分析などマーケティング戦略を考案してから、コンテンツの企画、デザイン制作までを業務範囲としている会社もあります。
この2つの制作会社の業務範囲を比較すれば、一目瞭然で後者の方がハイクオリティなホームページ制作を行ってくれます。
当然ですが、業務範囲が広く制作に着手するまでに時間をかけるので、その分制作費用も高くなります。
逆に、前者はすでにデザインが出来上がっているので、ホームページを作るといってもテキストや画像の差し替えをするだけです。
そのため、短時間で仕上げられることから制作費用も安く抑えられます。
つまり、見積もりを依頼した制作会社がどういった業務を行っているかによって、WEBサイトの内容も変わり、見積もり金額も変わるのです。
見積もり方法の違い
実は、WEB制作の見積もり方法には種類があります。
1つは1ページの単価で計算する方法、もう1つは工数単価により算出する方法です。
1ページ単価の見積もり方法が用いられるのは、小規模な会社やお店などただ情報を公開するだけのWEBサイトです。
トップページと商品(メニュー・事業内容)紹介ページ、会社概要、店舗情報というようにページ数が少ないWEBサイトはデザインやコーティングの費用×ページ数という算出方法になので費用もかなり安くなります。
工数単価での見積もり方法は、主にコンテンツの多いホームページやコンバージョンが発生する大規模なWEBサイト、WEB開発、システムリニューアルなどの案件で用いられる算出法です。
WEB制作をするうえで必要となる工程や業務で作業時間を算出し、そこに費用を掛けて見積もり金額を出します。
ミーティングで細かい工程を打ち合わせしたり、提案書を作成してもらったりすれば、ある程度は必要な工程を絞り込めますが、丸投げをしてしまうと必要な工程をすべて組み込む形で見積もりを出すので、その分金額も高額になってしまいます。
WEB制作にかかる人件費
意外かもしれませんが、WEB制作の見積もり金額が大きく変わる要素には、人件費が関わっています。
WEB制作の場合は、専門のデザイナーやエンジニアなどクリエイターを抱えていますし、スキルの高い人材を確保するにはそれなりの報酬が必要になります。
WEBサイトはデザインや機能性が重視されますから、スキルの低いクリエイターでは高品質なサイトを提供できません。
評価の高い制作会社ほど優秀な人材を雇っているので、必然的に人件費も高くなるため見積もり金額も高くなります。
逆に、クリエイターの費用を抑えるために、素人同然のスタッフやフリーランスに外注するという制作会社もあります。
こういった会社であれば、人件費が安いので見積もり金額も下がります。
見積もりを依頼するときにチェックするポイントとは
WEB制作は専門知識がないとできないので制作会社に依頼するしかありませんが、だからといって丸投げをすれば理想のサイトが完成するというものでもありません。
自社でやっておくべきこと、対応しなくてはいけないこともあり、制作会社と連携することでクオリティの高いサイトが出来上がります。
また、自社で担当することで費用を抑えられることもあるので、チェックするポイントを押さえておきましょう。
提案依頼書を用意する
見積もり金額が制作会社によって変わる一番の原因は、どういった提案をしてもらいたいか、つまりどのようなサイトを作りたいかが明確になっていないことが挙げられます。
提案依頼がはっきりしていれば、どの制作会社もそれに沿って業務内容やフローを決められるので、ある程度ばらつきのない見積もり金額が算出されます。
また、サイトの内容が明確になることで、制作も効率よく進められますから、納期も早くなります。
提案依頼書の作成方法は、インターネットで調べられるのでぜひ作成しておきましょう。
画像や動画などのビジュアル素材を用意する
WEBサイトのクオリティを高めるにはビジュアル素材が欠かせません。
制作会社に依頼すれば、プロのカメラマンが撮影してくれたり、適した素材を購入したりしてくれますが、ビジュアル素材というのはかなり高額なのでできるだけ自社で用意するのがベストです。
ただし、ビジュアル素材はサイトのデザインのクオリティに大きく影響するので、高品質な画像や動画が用意できない場合は、たとえ見積もりが高くなっても制作会社に任せましょう。
必要な費用は削らないこと
見積もりの費用内訳を見ても、専門的な用語で書かれていると、どんな業務なのか分からないものもあるかもしれません。
費用が高い項目があると、つい削りたくなるかもしれませんが、必要な費用を削るとサイトは完成しませんし、完成しても精度の低い物になってしまう可能性があります。
- ディレクション費・・・戦略設計、コンテンツ企画、ワイヤーフレーム作成など
- デザイン費・・・デザイン、コンセプト策定、テキストフォント選定など
- フロントエンド開発費・・・HTMLやcssなどでユーザーが目にするWEBページを作り上げていく作業
- バックエンド開発費・・・プログラミング言語により買い物カートやクレジットカード入力などWEBサイトをアクティブにする作業
- ブラウザ検証費用・・・ブラウザ上でWEBサイトが正常に動作するかを確かめるための費用
このように、費用項目名はシンプルでもさまざまな業務を行っているので、分からない項目は必ず制作担当者に質問し、削れる項目があるかを確認してください。
WEB制作の見積もり金額はサイトのイメージの明確さで決まる!
WEB制作をしてくれる会社を選ぶ基準はいろいろありますが、費用にウエイトを置く方も多いかもしれません。
しかし、より正確な見積もり金額を出すには、どういったWEBサイトを作りたいか、WEBサイトにどのような効果を求めているのかを明確にする必要があります。
何を求めているかをはっきりさせることで、制作会社もどういった業務を行えばいいのかが明確になります。
今や、WEBサイトは売り上げアップや目標達成には必要不可欠なので、目的をしっかり定めて制作会社とスムーズに連携できる環境を整えて、理想にぴったりのWEBサイトを作り上げましょう。