ビジネス感度の高い人に注目を集めているセールス・イネーブルメント(Sales Enablement)営業の改善や生産性の向上、継続的売り上げの上昇などを目指したこの考え方は現代的なビジネス戦略として多様に検討されています。
セールス・イネーブルメント営業活動において成果を上げていくための組織の強化や改善に係る全般を意味し、かなり広い概念として考えられています。ここではその広い概念の一端を紹介して皆様のビジネス戦略に役立つ情報としてお届けできればと思います。
セールス・イネーブルメントとは?
セールス・イネーブルメントの注目される背景
セールス・イネーブルメントの注目される背景として、どんな企業のどんな状況でもある程度確実に成果に結びついているということが指摘できます。
セールス・イネーブルメントの定義
セールス・イネーブルメント(Sales Enabulment)は「営業成績を上げていくための組織の強化や改善に係る取り組み」を意味しています。ここでいう「組織」とは単に営業部門だけを指しているわけではありません。 営業部門が活動する背景にはマーケティング部門が営業リードを獲得したり、人事部門が営業担当者向けのセミナーを実施したり情報システム部門が営業ツールを導入したり、法務や事務系部門が書類を管理したり、様々な部門を横断した業務によって支えられています。
セールス・イネーブルメントが重要視される背景
昨今MA(マーケティングオートメーション)ツールやWebマーケティングが普及してきました。これまで主流だった電話や足を使った営業とは違った営業スタイルの登場です。これまでは考えられなかった低いコストで見込み客を取り込んだり、可視化できなかった営業のプロセスも共有が可能になりました。
働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)が活性化したことで営業活動においてセールステックを(SFA、MA、CRM)駆使した営業活動が急速に増えています。
他にも売上向上のために顧客管理、営業プロセスの可視化の必要もあります。さらに営業部門の業務効率化、生産性向上が成し遂げられなければいけない状況も増えています。
セールス・イネーブメントの意味
それではセールス・イネーブメントとは具体的には何なのか。営業活動の効率化や生産性の向上を図るSFA、CRMはITツールであり、セールステック(Sales Tech)です。もちろんセールス・イネーブルメントにはこれらのセールステックは欠かせません。
セールステックで営業のプロセスや営業成果を可視化し、SFA、CRMを使い営業活動を管理し、そのうえで営業に係る組織の強化や完全に取り組むのがセールス・イネーブルメントなのです。セールス・イネーブルメントはセールステックを駆使した徹底した合理化なのです。
セールス・イネーブルメントのメリット
オフラインでの集客営業力の底上げと平準化
それまで個人に頼ってきた営業活動をMA禍によりスキルやノウハウを共有化、蓄積し、教育や研修などにも応用できるようにします。営業担当者のスキル格差がなくなり、属人化がなくなります。
営業が相対化することで平準化し、誰でもできるようになります。
営業活動の最適的化
営業活動の平準化に伴い、営業格差が少なくなります。その中で個々の営業担当者の営業活動の分析から最も効率的な営業プロセスが見つけ出せるようになるでしょう。
営業プロセスの違いを検討するうちに、最適な営業方法の分析が可能になるのです。
セールス・イネーブルメントのやり方
セールス・イネーブルメントは営業部門の効率化を中心とした営業面を中心とした総合的な組織改革です。その意味では営業面だけの組織改革ではなく広い視点が必要になります。どこから手を付けていくのが最もふさわしいのかしっかりした計画性も必要です。そのため部分的な修正にとどまらず革新的なそのため部分的な修正にとどまらず革新的な改革断行の姿勢が問われることが多いです。
以下実施に向けてのポイントを整理していきたいと思います。
総合的に行うために専門チームを立ち上げる
セールス・イネーブルメントを断行するには専門チームの立ち上げが必要です。営業部門だけの改革と考えることなく、会社の全体的な営業力を高めるための大胆な方向性の模索がいつようです。
従業員の教育から、担当者の人事、営業ツールの運用管理を担う開発部門や情報システム部。そして営業活動に係る部門とどう連携できるか。総合的な視点を持った部門の必要があるのです。
営業ノウハウの共有化
営業実績について施策の分析と効果のあるアクションとそうでない部分を冷静に分析しましょう。効果的なノウハウについては社内で共有して、マニュアル化を行います。
教育研修なおどを実施して社内で共有できるようにします。営業活動は個人に依存して属人化しやすい業務です。営業のノウハウを意図的に共有するようにしましょう。
複雑で細分化した顧客需要を整理する
インターネットの普及で価値観の多様化し、複雑で細分化し、顧客需要を明確にし、社内で共有することもセールス・イネーブルメントの重要な目標です。
顧客需要の複雑化により、どうすれば顧客需要を掘り起こすことが可能なのか、その需要の把握も社内で共有化できるようにしましょう。顧客についての営業も見込み客についての営業も、営業活動という点では同じです。社内で協力して売り上げを上げられる体制を作り上げ、営業とマーケティングの協力体制を作り上げられるようにしましょう。
マーケティングで獲得した見込み顧客を営業で取りこぼすようなことをできる限り少なくするための努力等も、セールス・イネーブルメントノ重要な目標の一つなのです。
ビジネスツールの活用
CRM・SFAツールの活用
セールス・イネーブルメントではMAツールの活用は欠かせません。営業プロセスなど共有の必要なものについては特に導入は不可欠です。
さらに顧客数、受注数、売上額等のデータ、営業プロセスやキョウイクケンシュウなどの履歴、など蓄積できるものはより多く蓄積、共有できるようにするためにもビンジネスツールの導入は不可避です。
特にCRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援システム)等はセールス・イネーブルメントにおいては必ず必要なツールと言っていいでしょう。積極的な導入を検討してください。
営業施策ごとの定量分析
ツールの導入によりある程度のビジネス状況の調査、分析が進んだら、各施策の効果測定を行いましょう。営業プロセスの手法や営業活動に係る施策の状況、教育研修や顧客管理状況、それぞれがどの程度の客観的効果を生んでいるのか分析しましょう。
分析の結果、何が足りないのか、どれだけの改良の余地を持っているのか、現状から改善できるものを探し出して実行する。
予め定めた実施目標従い様々な効率化、最適化を試みて改善を行う必要があります。改善や効率化は数値化されたものを分析すれば必ず浮かび上がってきます。業態を客観化して共有し改善点を探し出すことで効率化は必ず達成できます。
継続的な改善活動を行う
営業活動や顧客管理などの改善や効率化が見えノウハウの共有化が進んでも、それが継続しないと意味がありません。教育担当者などが中心となり、問題点を継続して改善していける体制を維持しましょう。
継続的な改善活動は親友社員の御ボーディングにもつながります。営業成果を上げていくためには改善活動の継続は欠かせません。
まとめ
セールス・イネーブルメントはMAやWebマーケティングが普及した昨今なくてはならない考え方です。本来営業部門中心に導入を目指しても本質的な効果は見込むことはできません。全社挙げて営業体制の見直しを図るほどの気持ちで取り組むことが必要です。その意味では営業部門をいかに効率に采井するかを営業活動自体見直す形で取り組む必要があります。
その意味ではMAツールなどを取り込んだセールスマネージメントの抜本的改革という意味でセールス・イネーブルメントを検討することになるのではないでしょうか。